見逃すことのないよう
祖父の言葉を思い出す。
心が若いうちは、
たとえば買い物とか、
着飾ったりとか、
自分ひとりの楽しみで満たされていたように思うだろうが、
でもある日、
それだけでは物足りなくなった自分に気づく、
その瞬間を見逃すことないように過ごしなさい、と。
存分に自分ひとりの楽しみを生きた祖父から
そんな言葉をもらうとは思ってなかったから驚いた。
そして今、その理由をさぐってみると、
(僅かでも)備わった経験や力を分けたり伝えたり、
何かしらのお役に立つということが
(そんな自分への)「解決」に繋がることに気がつく。
そうした心持ちの変化が、
実際に人のお役に立てるようになるか、
或いは老害に陥るのかはわからないが、
いつしか、食べて寝て、自分の為だけに生きるだけでは
甲斐無く感じるようになる…
つくづく、人間という生き物には
特殊な性質が与えられているのだと思う。
自分の心もうつろってゆくから、
そのことも生きているうちにわかってくるだろう。
見過ごすことなく出会いたいものだ、
祖父が出会ったその瞬間とやらに。

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